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運営堂の森野さんがJADEのGAメンバーへインタビュー「GA4のコンサルティングってなにしてくれるの?」

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こんにちは、運営堂の森野です。

広告、SEOとくれば、次はアナリティクスでしょう。調子に乗ってGA4コンサルにもついて聞いてみよう!となりましたので、村山佑介さんと郡山 亮さんにもお話しをうかがいました。

 

SEO、営業からアナリティクスの道へ

森野 前回の記事に続き、GA4やアクセス解析について村山さんと郡山さんにお話をお聞きします。村山さんはもともと事業会社でWeb担当やSEOをされていましたよね?

村山 SEO、広告、Google アナリティクスなどを幅広く担当していました。アユダンテに転職してからはSEOとアナリティクスに注力し、今JADEではSEOやGA4、最近は広告も少し手がけています。

森野 村山さんに広告のイメージがないのですが、普通に広告運用されているのでしょうか?。

村山 そうですね。普通に入札単価を変えたりしていて、広告運用に関してはJADEで本格的に取り組んでいます。

森野 ゆくゆくは村山さんから広告の記事が出てくるかもしませんね。郡山さんについても教えてください。最初の会社はどちらですか?

郡山 サイバーエージェントグループのウエディングパークという口コミサイトで、BtoBの営業をしていました。九州と東京を毎週飛行機で往復する日々で、最初の数年間はSEOに触れたこともありませんでした。その後ディレクターになり、ウェブサイトの企画やSEOを担当して、口コミサイトのSEOチームでいろいろとやらせていただきました。

森野 そこでGoogle アナリティクスに初めて触れたんですね。

郡山 当時はSiteCatalyst(現Adobe Analytics)が導入されていました。それをGoogle アナリティクスにリプレースするプロジェクトがあり、誰も担当しないので私が担当することになった結果、Google アナリティクスが好きになったんです。そこからSEOチームではなく、Google アナリティクスの担当として全サイトの解析を担当することになりました。

森野 SiteCatalystからの移行はちょっと大変そうですね…。

郡山 数値のズレを追う作業が終わらず、本当に大変でした(村山さん・森野大きくうなずく)…。

森野 そこからJADEさんに移られたんですね。現在はGA4がメインですか?

郡山 アクセス解析の支援を行う業務が多いですし、前職の名残というかSEOも引き続き担当しています。JADEに来てSEOを再び学び直したいという気持ちもあったので、GA4を活用してどうやったらクライアントの事業を伸ばせるか模索しながら勉強しています。

森野 他の業務もこなしつつGA4を使っているという感じですね。GA4だけに特化しても限界がありますし、幅広く対応できるほうがいいですよね。

村山 そうなんですよね。ツールを使いこなすことが重要ですし、知識だけあっても活かせないと意味がありませんから。

 

キーイベントは何のため? GA4導入でまずすること

森野 クライアントから「KPIを決めてください」「KPIをどうやって決めるんですか」という質問から始まることが多い、と私の周りでは聞きます。JADEさんではどうでしょう?個人的にはクライアント側で決めなくてどうするんだと思ってますが。

村山 クライアントによって特徴が分かれますね。GA360を利用しているクライアントは、KPIをどう持つべきか理解していて、改善プロジェクトとしてスタートすることが多いです。一方でGA4をこれから導入したい、あるいは導入したけど何を見ればいいのかわからないというクライアントの場合、そもそもKPIという言葉自体を知らないこともあります。そういった場合は日々どの指標を見ていけばビジネスが成長しそうかという点を、クライアントと一緒に作り上げるのが多いです。具体的なキーイベントを決めづらいケースでは、「店舗集客」であれば「店舗ページを見たら」という形などで提案することもありますね。

郡山 反対に過去の設定が残っているケースもあります。たくさんキーイベントが存在しているものの、使いこなせていないことも多いです。「本当にキーイベントに相当するのか」を一緒に見直すところから始まります。使い物にならないものは新しく作り直し、サイトのKPIが何かを話し合うところからスタートすることもありますね。

森野 謎のイベントがたくさんあって、「これは一体何なのか」とか「これがキーイベントで良いのか」と考えるよりも、ゼロベースで考えた方が早いということですね。

村山 プロジェクトがスタートしたときにGA4を確認すると、なぜかキーイベントが20個くらい設定されていることがありますから(笑)。

森野 わかります、わかります。なぜかpage_viewがキーイベントだったり(笑)。このあたりの初期設定って地味で伝わりにくいんですが、やっておかないと1年後に後悔することになりますよね。

村山 正式に計測する前にしっかりと準備して、不要なものやわからないものを取り除くように発信してきたつもりですが、なかなか難しいですね。

郡山 ユニバーサルアナリティクス(以下UA)のタグから飛んでいるイベントと、後から埋めたGoogle タグマネージャー(以下GTM)から飛んでいるイベントが混在している状況もありますね。パラメータにカテゴリやアクションが必要なのかと思うときもありますね。

森野 懐かしい!と思うのは我々だけで、GA4には絶対にいらないですね。極論するとGA4って、最初のプランニングとデータ取得の部分さえしっかりやってしまえば、あとはデータを加工して見せるだけですもんね。それができるかどうかがプロかアマチュアの差になるわけですが。

郡山 私はDMAICというプロセスをすごく大事にしています。最初にこれが大事なKPIですと整理して定義し、GA4でカスタムイベントとして取得して計測します。取れているかな?取れていないかな?と確認しながら計測を整えて、ここからJADEのフレームワークに繋がっていきます。クライアントには伝わりづらい地道な作業を最初にやっています。

 

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森野 ここの前工程が長くて重要だということを、皆さんに知ってほしいところです。GA4は設定してないものは取れないので、前月や前年のデータを比較しようとなったときに困ることが多いですから。年単位で動くものって数年の経験がないとできないので、そこをアウトソースできるならしたほうがいいですよね。

 

移行から1年、導入支援のニーズは続く

森野 JADEさんはSEOや広告のフレームワークがあって、これを基準にプランニングしているんですか?それとも現状を見てから判断するんでしょうか?プランが先なのか、GA4確認が先なのか、というところが気になります。

村山 多くの場合、「SEOで伸ばしたい」「広告で集客したい」という目的があってプロジェクトがスタートします。でも、まずは全体の流入状況を確認して、どこに成長のチャンスがあるのかを見極めることから始めますね。「SEOで伸ばしたい」という要望でも、実際には広告の方が効果的なケースもあります。どこが一番リターンが大きそうかを全体的に判断しながら、最適な策を考えていきます。

森野 なるほど、ある程度目的が決まっている前提での話ですね。GA4の導入支援もありますか?

郡山 導入支援は私が担当することが多いですね。ある程度整った環境からの分析支援もありますが、正しく導入されているか不明だったり、機能や用語がまったくわからないところから始めることもあります。そういう場合は、ゼロから環境を整えたり、並走する形で支援しています。「そもそもGA4か何かわからないけど、計測ツールは入っている」というクライアントもいらっしゃいます。

村山 GA4を導入していても使えていないウェブサイトは世の中にたくさんあります。有名企業でもそういった状況になっていることがありますね。全体的な分析を行う際にデータがないと分析の粒度が荒くなってしまうので、そのような場合はGA4を導入し直して、必要なイベントをしっかりと固めて進めています。

森野 GA4が入っているけど設定した記憶がない、なんてこともありますよね。環境が整ってからはどういった流れになりますか?

郡山 KGIやKPIを整理して、「GA4だったらこのディメンションが必要」「これはキーイベントにあたる」というように落とし込み、実装案を作っていく流れですね。

森野 GA4の基本部分だと思うのですが、このあたりできていないクライアントは多いのでしょうか?

村山郡山 (声をそろえて)そうですね。

森野 GA4に切り替わって1年ぐらいです。すでに計測環境が整っていて、分析や改善案を出すのがメインだと思っていましたが、まだそういう段階じゃない方も多いんですね。

村山 企業によってばらつきが見られますね。スタート時からしっかり整っている企業もあれば、見た目は整っているけれど実際には問題を抱えている企業もあります。その場合は、データの継続性より作り直した方が早いこともありますね。

森野 そうですね。過去のデータを使うために補正値とか言い出すとデータの正確性にも疑問が出てきますしね。このあたりの判断をしてもらえるのは助かります。

 

開発中の分析メソッド「ULSA」とその考え方

森野 初期設定はわかりましたが、実際に分析するときは郡山さんの話のようにフレームワークに従って集客の部分などを順に見ていくんですか?それとも、違ったやり方があるのでしょうか。

村山 全体を見る際の分析フレームワークをJADEの中で作りつつあります。SEOや広告でJADEのサイトに掲載しているような感じで「ULSA」というフレームワークですね。UがUser、LがLand、SがSurf、AがAcquisitionです。僕としてはUの部分が一番重要で、Webサイトに対して、どんな人がどのタイミングでどういう状況で訪れるのかを知らないと分析できないと思っています。5W1Hのような観点ですね。


SEOのフレームワーク〉

blog.ja.dev

〈広告運用のフレームワーク〉

blog.ja.dev



森野 UAの時は左側のメニューがその順になっていましたよね。

村山 そうですね。GA4で変わってしまいましたが、最初からランディングページやオーガニック流入を確認するのではなく、まずはデバイス、ブラウザ、時間、曜日といったデータをしっかり見て、どんな人がどのタイミングでそのサイトを見るのかという解像度を上げてから、ランディングページやチャネルを見ていくというフレームワークにしたいと思っています。

森野 このあたりってやっている人からすると重要だということはわかるんですが、クライアントからはもっと驚くような成果が期待されることはありませんか?

郡山 期待されることもありますが、気づきを得るためにはモニタリング環境や現状を整理する地道な作業から始めないといけません。いきなりすごい宝物が出てくるわけではなく、まずはどこに問題があるのか整理し、「よく見たらここに何かがあったね」という発見がようやく得られる感じです。1ヶ月目、2ヶ月目にここまでやろうというロードマップを示して合意してもらうのが重要ですね。この部分が村山が話した「U」に結びついています。

森野 同じような動きをしたユーザーでも、環境が違えばモチベーションも何もかも違いますしね。ペルソナではないデータから導き出されるユーザー像って大切です。

郡山 最初に地道な作業を積み重ねることで、数か月後に「あれが重要だったね」と言っていただくことがあります。設定もデータの理解も焦らず着実に進めたほうが最終的にはうまくいきます。

 

タグ管理の現場から――混在するコードの整理術

森野 より細かい実務の話に進みたいと思います。支援をする際にタグの問題があるケースってよくありますよね?直書きのタグとGTMが混在していたり、GA4やUAのタグがたくさん入っていたりとか。

郡山 ありますね。UAのタグが残っていて、そこからデータを送信しているGA4。自動で作られたプロパティ。データレイヤーやGTMもあるけど使わずに実際はgtagを使っているケースなど…。「どうしてこうなったんだろう」と思うことがたくさんあります。こんな時はタグを全部書き出して、「これは何ですか?」「これは残しましょう」「これは消してください」と、タグの大掃除をします。

森野 JADEさんとしては基本的にはGTMでタグの管理をしたいですよね?

郡山 それを推奨していますが「どうしてもgtagでなければできない」というケースもあります。gtagでも最適な計測ができるように、クライアントと一緒にベストプラクティスを探していきます。

森野 え?gtagですか?カスタムイベントはどうするんですか?

村山郡山 (声をそろえて)直書きです。eコマースもユーザープロパティも直書きですね。

森野 マジですか。それは大変というか…。

村山 しかもGTMも入っていたりします。ログインできるけど中身がブラックボックス化していることもあります。データはサイトの資産なので、社外の誰かに管理されているとリスクがあります。「いらない」や「わからない」ものは一度外すことをおすすめしています。

郡山 本当に何も入っていない方が楽です(笑)。代理店さんごとにGTMが個別になっているケースや、契約が終了した代理店さんのタグが残っているケースも多いですからね。

森野 タグ設置や動作の確認はどうしているんですか?

郡山 GTMのプレビューモードやChrome拡張機能のTag Assistantを使っています。自分に権限がなくてもサイトに埋め込まれているGTMのコンテナIDが確認できて便利ですね。

村山 僕の場合は、ブラウザのパケットキャプチャを使います。

森野 なるほど。データのやり取りで確認するんですね。デベロッパーツールに慣れちゃうとそっちが楽なのはわかります。

 

カスタムイベント200個の理由

森野 ちゃんとデータが取れるようになったら、キーイベントやカスタムイベント、カスタムディメンションを作っていく流れですよね?「これを取った方がいいかな」という感じで。

村山 コンテンツを分析して改善したい場合、探索的な分析では何がどのような相関関係を持っているかわからないので、細かくイベントを設定して「どのイベントが良さそうか」を見ていきます。「このコンテンツのこの部分は作り直した方が良いか?」といった分析では、閲覧状況やクリック状況などさまざまなイベントが必要になります。SEOで関わったクライアントでは200近くのユニークなカスタムイベントを設置したこともありますね。

森野 200ですか!郡山さんはどうでしょうか?

郡山 規模が小さいクライアントの場合、100個のイベントを設定しても全部は使い切れないと思います。初心者の方には、最初は10から20のイベントに絞ることをお勧めしています。「この20を使い切って、それでも足りないものがあれば追加しましょう」という形です。理解が深まって「もっとこうしたい」と視野が広がってきたときに追加するのが良いですね。

村山 求人一覧ページの例ですが、50件のカードが並んでいるときに、5件スクロールするたびにイベントを発火させています。やりすぎかと思われるかもしれませんが、実際に分析すると特定の条件でのスクロール率が異なったり、コンテンツ絞り込み機能を使ってからスクロールするとコンバージョン率が非常に高かったりと、意外な発見があります。細かいデータを取っておいて良かったと思うことが多いですね。

森野 細かく取れば取るほどやることが増えますが、わかることも多くなります。何のためにイベントを設定してどう使うかが重要ですね。

 

「最後まで見た」は読了? より正確な計測のために

森野 カスタムイベントはたくさん設定するとのことですが、定番のものはありますか?例えばスクロール率を取得するとか。

村山 メディアサイトの記事の場合は、スクロール率ではなく表示でイベントを取得することが多いですね。記事の場合、目次があって、文章を読み始めたタイミングや、読み終わったタイミングなどを記録します。見出しごとに取得することも多いです。

郡山 長い記事と短い記事の読了率を同じ基準で評価するには、要素の表示が向いていますね。セクションごとや段落ごと、最下部あたりの要素を対象にして取得することが多いです。

森野 読了率ってよく聞きますが、各社で定義が全然違いますよね。記事の下まで行ったのを読了とする場合もあれば、5分割されたうちの5ページ目まで見た人を読了とする場合もあります。具体的にはどうしているんですか?

村山 基本的には、本文コンテンツの終わりが表示されたタイミングが中心ですね。

郡山 私も1ページの中で、最下部までスクロールが到達したことを読了率として定義することが多いです。ページをまたぐメディアの場合は、総PV数とカスタムイベントを使って到達数を取得し、割り算するのが一番わかりやすいですね。割り算はカスタム指標を設定すると計算がとてもスムーズになります。

 

後を楽にするためのカスタムイベント管理術

森野 カスタム指標は明確な意図があると便利ですよね。適当に作られちゃうと「なにこれ?」ってなりますが。

郡山 どこかで計算しなくてよいので、レポーティングなどが楽になります。Notionにカスタムイベントやカスタム指標をまとめてクライアントに報告しておくと、どの数値をどうやって取得しているかが分かるので、数値に関するやり取りが減りますし。

森野 これは本当に大きなメリットですね。最初からそこに到達できる人はいないですし、まとめるのって面倒だからさぼりがちです。他によく使うカスタムイベントはどんなものがありますか?

村山 CTA(コールトゥアクション)の表示やクリックは必ず記録しますね。

郡山 ハンバーガーメニューの開閉や、ナビゲーション周り、ヘッダー周りのリンククリック数なども把握して回遊の評価に使います。製品ページやサービスページ、ランディングページでは、それらのイベントをClarityのカスタムタグにも追加して、同じように見える環境を整えています。

村山 Clarityは最初から見ると改善案で悩むこともありますので、GA4でイベントが発生しやすいユーザーを確認してから、Clarityで具体的な動作を確認する方が良いと思います。GTMで1つのトリガーにしっかりと紐付けておけば、フォルダ管理もしやすくなります。

郡山 わかりやすいモニタリングのレポートが作成されたり、データ取得の仕組みがドキュメント化されていても、それだけでは成果は出ません。あくまで運用のための時間です。クライアントが自分たちでやるのは難しいことも多いですし、無駄な時間になることもありますね。成果を出すための下準備をプロに任せ、クライアント側は企画力や意思決定に集中できるというバランスが取れることが、大きなメリットだと感じています。

森野 そうですよね。一生の間に数回しかやらないであろう設定を覚えても時間がもったいないですし。過去のデータがないというのは、大きな問題ですから。

 

データは毎日見る。だから異常にもすぐ気づける

森野 モニタリングに使うダッシュボードについては、JADEさんにテンプレートがあるのか、それとも毎回オーダーメイドで作っているのか、どちらが多いですか?

村山 テンプレートがありまして、先ほどのULSAの分析もしやすいようにしています。GA4に詳しくない方でも月次や日次の実績が簡単に把握できるフォーマットをベースに、クライアントごとにカスタマイズしていきます。社内向けにはTableauも使いますが、クライアントにはLooker Studioが中心ですね。他の人に渡しやすいので、モニタリング環境としては適していると思います。

森野 月次報告以外にも、何かあったときはタイムリーに報告するんですよね?

郡山 毎朝、各クライアントのモニタリングレポートをざっと確認することから仕事が始まります。異常値にもすぐ気づけますし、インフラ的な部分も担うことで、クライアントに安心感を提供できているのかなと思います。例えばテレビで放映されたときなど、翌日にトラフィックが急増することがあります。そんなときは、オーガニックサーチだけでなくソーシャルからのトラフィックも増えることがあるので、通常よりも幅広く調査して事実を把握します。

村山 オーガニックトラフィックが急に減少しているような場合は、Looker Studioで「このあたりで何か下がっている」とあたりをつけて、そこからどう対策を取るかをアドホックに決めていく形です。

森野 こうした毎日の確認って、ホームセキュリティのような安心感がありますよね。24時間365日ではないですが、毎日定期的にデータを確認してくれる会社って少ないと思います。月初にレポートもらって、前月の中ごろにあったデータの話をされても遅いですからね。その時に対応していれば打てる手もあるのに。

村山 弊社の場合は集客と合わせて支援することが多いので、データは毎日変化しますし、異常値もあればヒントもあるので、ちゃんと見ないといけないですよね。

 

「すごい分析」は不要。毎日の変化を見る、それがGA4の基本

森野 最後にクライアントに対して、GA4をどのように使ったら良いのか、アドバイスをお願いできますか?皆さん、GA4を見るときに「すごい分析しなきゃいけない」と気負いすぎている感じがあると思うので。

村山 GA4は2つの使い方があります。1つはモニタリングです。体重計と同じで、日々の変化を見ていく。セッション数や表示回数に大きな変化があれば、それが何かの兆候かもしれないと考えます。もう1つは目標に対する進捗確認です。「足の筋力が何%で時速何キロで走れる」というように、ウェブサイトも目標に対してどう成長しているかをチェックする。KPIとキーイベントがあって、達成率を見ていく。ウェブサイトを体のように考えると、わかりやすいと思います。

郡山 計測環境や計測方法、レポーティングなどの整理をすることが大切で、難しいことをする必要はありません。この事業にとって「KPIはこれだよね」と整理し、日次で見るべきか、月次で見るべきかを決める。次はカスタマイズして取りたいものを整理して、GA4で何を見れば良いのかを考えます。表示回数なのかセッション数なのか、といった具合です。
たくさんの機能があっても全部を使う必要はありません。標準のレポートを使ったりLooker Studioを活用したりして、「これを見ればわかる」という状況になればGA4は使いこなせると思います。

森野 ディメンションや指標が100以上もありますが、それを全部覚える必要はないということですね。

郡山 基本的な部分はさらっと見ておくべきですが、現場の担当者が基本をマスターしてくれたら、関係者全員がすべてを学ぶ必要はありません。モニタリングで整理された指標を見るだけで済むと思います。必要なものを選んで使うのがポイントです。

 

取材を終えて

JADEさんのGA4コンサルティングなので、もうちょっと派手というか〇〇分析とかすごそうなレポートが出るのかと思っていたらまったく違いました。ものすごく地味、かつ事前の準備が大切だということがはっきりと分かったのは、同じ仕事をしている皆さんにも参考になったかと思います。

数か月、数年先を見越して設定をし、そのデータを毎日チェックして異常値があれば調べる。こう書いてしまうと簡単に見えてしまうのですが、長年の知識と経験があるからこそできるんですよね。洗練されたものってものすごくシンプルなのです。

 

〈著者プロフィール〉

森野誠之(もりの・せいじ)

Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。Googleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト改善支援を中心に、Web制作会社と提携し分析から制作まで一貫してのサービスも開始。最新情報を押さえながら、地方かつ中小企業向けのノウハウをわかりやすく説明できる数少ない人物。平日毎日発行される、Webマーケティング関連情報をまとめたニュースレター(毎日堂)は、業界内でも愛読者の多い人気ニュースレターとなっている。名古屋と徳島の二拠点生活中。尊敬する人はゴルゴ13。

 

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