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【注意喚起】検索パートナーのアドフラウドは今のところ残念ながら広告主自身で把握と対応をするしかない

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こんにちは、JADEの小西(@isseik)です。

検索パートナーにおけるアドフラウドの問題は2024年に話題となり、さすがにすぐに収束するかなと個人的には期待していたものの、2025年に入ってからも見かけることがあります。

広告の不正行為の問題の素人の目からしても明らかにアドフラウドとしか見えない、おそらく検出もそう難しくないであろう事象が続いているので、非常に残念に思います。Googleを信用して対応を待ちたいところでしたが、広告主、広告代理店が自身で状況を把握し、取れる対策を取るしかない状況となっていると言えます。

今回は、この問題への向き合い方、確認方法や対応方法などについて書きます。

【もくじ】

 

検索パートナーとは

Googleの検索広告は、検索されたときに表示される広告ですが、Google検索だけではなく、GoogleがオーナーではないGoogle以外の検索結果やその他のページに表示されることもあります。

この、Google検索以外へ広告表示できるサイトが、「検索パートナー」です。

https://support.google.com/google-ads/answer/2616017

検索パートナーとして日本で比較的知られているものとしては、dメニュー検索、goo、@nifty、au Webポータルなどがあります。また、設定はキャンペーンの設定画面でできます。下記の画面のキャプチャのとおり検索ネットワーク>「Google 検索パートナーを含める」にチェックを入れていれば、検索パートナーで広告は表示されます。

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検索パートナー自体は悪いものなのか?

検索パートナーの仕組みそのものは悪いものではありません。

検索パートナーへ広告を表示すると、Google以外の検索エンジンを使っている検索ユーザーへも広告を見てもらえるので、リーチを広げるにはとても有効なものです。実際に多くの広告アカウントで、Google検索に比べれば少ないですがコンバージョンは得られ、CPAも悪くないことがほとんどでしょう。

ただし、検索パートナーに含まれるサイトとしては、dメニュー検索のようにごく一般的で多数のユーザーに使われる検索エンジンだけでなく、ドメインパーキングもありますし、個人サイトで使われるGoogleカスタム検索などもあります。中にはあまり良くない広告表示をするサイトもありますし、悪質ではないとしても広告主のサイトと全く相性のよくないサイトもあることでしょう。そのためか、費用対効果が悪いケースもあり、検索パートナーへの広告表示を止めたほうがいいケースもあるでしょう。ただしこれは、パフォーマンス観点での話であって、広告システムとして絶対的に悪いものということではありません。

絶対的に悪いこととして検索パートナーで起きてしまっているのが、不正行為、アドフラウドです。

 

検索パートナーにおけるアドフラウドとは

検索パートナーに限らず、広告ネットワークに参加している広告掲載メディアの運営者は、広告がクリックあるいはインプレッションされることで収益が入ります。本来はそのメディアを閲覧したユーザーのクリックあるいはインプレッションにより費用が発生するべきですが、本来のユーザーではなく関係者やbotなどによる広告価値が皆無のクリックあるいはインプレッションによって費用を発生させ、収益を得ようとする不正行為があります。この不正行為が検索パートナーに含まれるいずれかのサイトでまず行われているであろう、ということがここしばらくの多くの広告アカウントの事象からわかっています。

Google 広告に限らず、これまでも同様のアドフラウドも形の違うアドフラウドも様々ありました。100%ではなくともアドフラウドは検知されて対策されることは多いので、長く続くことはあまりありません。実はバレずにいるアドフラウドもあるはずですが、バレていないということはわかりにくいように巧妙に行われている、ということです。

そんな中、今話題になってる検索パートナーにおけるアドフラウドの特徴は、素人目にもわかりやすく、どう見ても人間による自然なクリックではない、不自然なものにしか見えないということを、特別な調査も必要なく判別できてしまうということです。個人的には、Googleほどの企業であれば簡単に対策できそうくらいの稚拙なアドフラウドにしか見えないと思ってるのですが、どうやら2年近く続いているらしいというのが、衝撃的な事態だなと思っています。こんなにわかりやすいアドフラウドで、長く、多くの広告アカウントで発生して広く話題になっている広告のスパム問題は、約15年前のオーバーチュアのアービトラージサイト問題くらいじゃないでしょうか。

ということで、すみません今回の検索パートナーについての詳しい話をたいして書いてないのですが、それはLIFT合同会社の岡田さんがまとめていらっしゃいますのでぜひどうぞご覧ください。参考になります、ありがとうございます。

livefortoday.jp

 

被害を受けているか調べるためのデータの確認方法

ここに記す確認方法は例です。同じデータが取れるなら別の方法でもOKです。

広告管理画面>ネットワーク

まず、広告が配信されたネットワークを表示します。

例として下記のスクリーンショットの通り、分類>ネットワーク と選択します。Google 検索と検索パートナーとで、それぞれどのくらいのクリックがあって費用がかかったのか、確認できます。

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広告管理画面>検索パートナーの検索語句

検索パートナーに広告表示されたときの検索語句を調べます。レポート エディタを使います。

まず、画面左側のキャンペーン>レポート エディタ を選択します。

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その後、「+レポートの作成」をクリックし、下記の画面のように右側から項目を選択してください。選択してレポートを表示したら、検索パートナーのカラムのところをクリックしてフィルタを選び、「検索パートナー」を選びます。

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広告管理画面>地域(所在地)

広告が表示された地域を調べます。ここで調べるのは「所在地」です。地域、つまり広告を表示したユーザーがどの地域のユーザーだったかという判定としては、その地域のことを調べているあるいは関心があるということなのか(インタレスト)、そこにいる(所在地)なのかという判定があります。このうちの、所在地のほうを調べます。

こちらもレポート エディタを使います。下記の画面を例としてレポートを作成してください。

選択するべき地域の項目は、「地域(ユーザーの所在地)」です。「地域(一致)」ではないです。

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GA4>主にブラウザ、OS、言語、地域

Google 広告アカウントをGA4のプロパティにリンクしていれば、GA4のデータがとても参考にできます。Google 広告管理画面では確認できないデータも確認でき、より、アドフラウドかどうかの判定に役立てられます。

こちらのレポートをご利用ください。

https://lookerstudio.google.com/reporting/93ff2e7a-caa7-49cb-8a98-3c1e10153e5c/page/p_q2dbuhb6bd

まず、レポートページの上部の「クリックして Google アナリティクス データを選択」のプルダウンメニューから、対象のGA4プロパティを選択します。

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その後、「セッションの Google 広告ネットワーク タイプ」のプルダウンメニューから、 Search partners を選択します。

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そうして表示された結果が、検索パートナーの広告をクリックして発生したセッションの結果です。下記の範囲のデータが特に参考になります。デバイス、ブラウザ、OS、地域などを特によく見てみましょう。

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その他

可能でしたら生ログも調査してください。

アドフラウドかどうかの判断

以上のデータを見て、ごく自然な結果であるならアドフラウドの被害を被っていないか、アドフラウドがあるのかも知れないけど巧妙な手法なのでわからない、ということになります。

しかし、今話題になっている検索パートナーにおけるアドフラウドはとっても簡単に見つけられる程度の不自然な結果になっていることが多いので、見たらすぐわかります。

特徴として次のような傾向が確認できています。

  • 検索パートナーの平均クリック単価が、Google 検索に比べて著しく高い、あるいは著しく低い
  • 検索パートナーのCTRが、Google 検索に比べて著しく高い
  • クリック数が多いはずがない検索語句でクリック数が多い。例えば、Google 検索だと他よりクリック数がとても少ない検索語句や、検索ボリュームが大きくない検索語句など
  • セッションのあったブラウザの大半が Android Webview(アプリ内ブラウザ。Chromeではない)
  • 日本をターゲット地域に設定しているのに、英語、アラビア語、インドネシア語ユーザーなどが日本語ユーザーの10倍〜100倍くらい多い
  • 日本をターゲット地域に設定しているのに、あまり見たことないような国からのアクセスが大半
  • 以上のように明らかに不自然なクリックあるいはセッションが、一定の期間のみ大量に発生している

 

考えられる対応方法

ターゲット地域の設定を変える

アドフラウドが明らかに特定の地域から行われているのが明確な場合、その地域を除外したり、地域ターゲティングの設定を「インタレスト」ではなく「所在地」にしたりすることで、被害は緩和されるかも知れません。ただし、地域の判定は100%正しく行われるわけではないということと、検索パートナー以外の広告表示にも影響が出るということを考慮する必要があります。

この対応をする場合は、設定後の結果を、アドフラウドによる被害防止の観点からもパフォーマンスの観点からもよくモニタリングをしましょう。

検索パートナーそのものへの配信を止める

これは、本来の広告ユーザーへの広告表示も止めることになります。アドフラウドによる被害が、本来の広告ユーザーへの広告表示によって得られる成果を上回るようであれば止めるのが望ましいでしょう。個人的に見かけたことのあるアドフラウドの被害を受けている事例では、すべて、CPAが大幅に高騰し、コンバージョン数もあまりない状態になっていたので、止めるほうが得策と明白でした。ですので基本的にはこの対応を取るべきことにはなるだろうとは思います。

 

広告主のみなさまへ

アドフラウドと疑わしき結果を見つけたら、ぜひGoogleへ共有しましょう。

もし仮に不正でなかったとしても、よほど低品質な広告表示ならそれはそれで対策されるべきなので、共有し、要望を伝える意義はあります。

Googleはこれまでも多くの利用者の声を聞いて、対応をしてきました。声を送らなければ変わらないことも多いです。ぜひたくさんの声を届けましょう。

 

広告代理店、広告支援業者のみなさまへ

いろんな立場と背景があるかも知れませんが、単にGoogleへデータを共有するくらいのことは誰でも問題なくできるので、ぜひしましょう。

 

Googleに望むこと

僕がWeb広告の運用をはじめたのは確か17年くらい前で、それから今までアドフラウド(昔はアドフラウドという言葉が一般的はなくてスパム、不正と表現されることが多かったと記憶しています)は大きいものから小さいもの、明らかなものから怪しいくらいのものまで何度か見かけはしましたが、Google 広告(旧AdWords)においてこれだけわかりやすくアドフラウドであろう事象を長く見かけ続けたことはありません。Google 広告のスパム対策チームのことは詳しく存じ上げませんが、おそらく今までも大量の不正行為はあったはずで、そのほとんどを広告運用者が気がつくこともなく対策してきてくれてるのだろうと想像しています。もし仮にこれらが実は不正ではなかったとしても、あまりにも低品質な広告表示であることは間違いありません。

Googleは高品質な広告プラットフォームの運営を長年続けてきて、Google 広告でないと得られないような広告パフォーマンスを数え切れないほど作り出してきていて、僕もその恩恵を事業者としてもユーザーとしても存分に受けてきています。今話題のこれらの事象を長く許してしまっている状況を見続けるのはとても悲しいです。

おそらくは見過ごしているわけではなく対策をしているところで、素人にはわからない何か難しい問題と向き合っているから時間がかかっているのだろうと信じたいですが、何も公式にアナウンスがないので心配です。

残念ながら他に悪質な広告プラットフォームもまだまだある中、Google 広告こそは今後とも良質な広告プラットフォームであり続けることを願っています。

 

 


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