Image may be NSFW.
Clik here to view.
こんにちは、JADEブログ編集部です。
GA4は多くの企業やサイト運営者にとって欠かせないアクセス解析ツールとなっていますが、その豊富な機能や複雑な指標の見方に悩まれている方も多いと思います。
「#GA4リアルタイムQA」と銘打って、JADEではウェビナーを不定期開催中です。社内のSEO・Web広告・アナリティクスの専門家が、参加者からの質問に回答し、GA4の疑問を解消するセミナーです。
ウェビナーを質問ごとに切り分けた動画をYouTubeで配信中ですが、本記事ではいくつかの動画を再構成。GA4の様々な分析機能を実務で効果的に活用するためのテクニックを、分析のプロが解説した動画の内容をもとにまとめてみました。セグメント設定の正しい理解から、異常値の素早い検知方法、クロスドメイン計測の課題と解決策、そして広告効果の適切な評価方法まで、GA4をより深く活用するための実践的なノウハウをご紹介します。ぜひ本記事の内容を参考に、あなたのGA4活用スキルを一段階上へとレベルアップさせてください。
では、さっそく見ていきましょう!
【もくじ】
- GA4セグメントの「すべての期間」と「直近の期間」の違いとは?
- GA4での閲覧開始数と離脱数を正しく理解する
- クロスドメインを1つのプロパティで計測する際の課題と解決策
- GA4で異常値を素早く検知する方法
- GA4とGTMでのイベント登録の使い分け方
- Google 広告やMeta広告などの効果をGA4で評価する方法
- GA4データ分析の次のステップへ
GA4セグメントの「すべての期間」と「直近の期間」の違いとは?
GA4のセグメント作成において、「すべての期間で3日」と「直近の期間3日」という設定の違いを理解しましょう。この設定は探索レポートでユーザーセグメントを作る際にとても重要です。
「すべての期間で3日」は、レポートで表示している期間(例:1ヶ月)の中で、3日間にわたって特定の条件を満たしたユーザーを抽出します。一方、「直近の期間で3日」は、レポート期間内の中でも最近の3日間に条件を満たしたユーザーを対象とします。
設定方法も異なります。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
- 「すべての期間で3日」:右側のラジオボタンを選択
- 「直近の期間3日」:左側のラジオボタンを選択し、日数をテキストボックスで指定
「集計期間内の3日間で条件を満たしたユーザーと、直近の3日間で条件を満たしたユーザーでは、日付ごとの計測でそれぞれユーザー数に偏りが出る」点が実際のレポートで確認できるでしょう。この違いを理解することで、より精緻なユーザー分析が可能になります。
動画はこちらです
GA4での閲覧開始数と離脱数を正しく理解する
GA4における「閲覧開始数」と「離脱数」は、セッションに関連する重要な指標です。これらを正確に理解することで、ユーザー行動のより深い分析が可能になります。
閲覧開始数は「セッション最初に閲覧したページ」にカウントされます。つまり、ランディングページの機能を持つページの数を表します。「セッションが切れる前に再訪問してもカウントされない」という特性があり、数字の単位はセッション数とほぼ一致します(若干のずれは生じることがあります)。 一方、離脱数も同様にセッション単位で計測され、「そのセッション内で最後に見られたページでカウント」となります。こちらもセッションが切れる前の再訪問はカウントされません。
これらの指標を理解することで、「どのページからユーザーが流入してくるのか」「どのページで離脱してしまうのか」という傾向が把握でき、サイト改善のヒントが得られます。
動画はこちらです
クロスドメインを1つのプロパティで計測する際の課題と解決策
複数のドメインをまたいでユーザー行動を追跡するクロスドメイン計測。GA4でこれを1つのプロパティで行う場合、ランディングページの集計結果が同じページパスで合算されないようにするにはどうすればよいのでしょうか。
結論としては、「GA4のレポートUI内では現状その方法はない」です。これは、ランディングページがセッションスコープである一方、ホスト名などのディメンションはヒットスコープという、スコープの違いが原因となります。このスコープの違いにより、2つを組み合わせても精度の低い結果になってしまいます。
ただし、BigQueryを利用する場合は解決策があります。ページロケーションが入っているので、セッションが開始となった時のイベントのページロケーションから抜き出し、ホームページ部分とランディングページのパスの部分を結合(コンカチネート)して、ランディングページとして作る方法です。
なお、ユニバーサルアナリティクスでは管理画面側でホスト名による表示が可能でしたが、GA4ではまだその機能がない状況です。将来的にはGA4でも同様の機能が実装されることを望みます。
動画はこちらです
GA4で異常値を素早く検知する方法
売上やセッション数などのデータに異常値(異常に高い売上や低い売上)があった場合、素早く検知することは重要です。GA4ではどのように異常値を検知すればよいのでしょうか。
最も簡単な方法は「環境を作る」ことです。例えば:
- GA4の標準レポートをカスタマイズしてライブラリとして保存
- GA4の探索レポートで日付別のトランザクションを設定
しかし、GA4の標準レポートや探索レポートには表示できる限度があります。より詳細な関連性を見たい場合は、Looker Studioでダッシュボードを作る方が良いです。例えば、「日付別の特定のカテゴリーとのセッション数を並べて、その数字を一目で確認できる」ようなダッシュボードを作成するといいでしょう。
さらに高度な方法としては、「GA4のデータをBigQueryにエクスポートし、BigQuery側で異常値を検出するSQLクエリを書き、それをカラムとして置いたLooker Studioを作る」ことも可能です。
まずは作りやすい環境で試してみて、運用が大変なら少しずつカスタマイズしていくアプローチがオススメです。
動画はこちらです
GA4とGTMでのイベント登録の使い分け方
GA4でイベントを設定する場合、GA4側で設定するか、Google タグマネージャー(GTM)で設定するか、どちらが適切なのでしょうか。
GA4からイベントを作成・変更する場合、イベントの作成数に上限があります。そのため、どうしてもGA4側でイベントを作成しなければならない場合はそちらで対応し、GTMが利用できるのであればGTMから作る方がオススメです。
イベント設定を管理するためのポイントとしては、以下になります。
- イベントの設定を記録する:Notion、Googleスプレッドシート、Excelなどで、どのイベントを誰が作り、どのような目的で設定したのかを残しておく
- 定期的な棚卸し:いらなくなったイベントは棚卸時に整理する
- 命名規則の統一:例えば要素が閲覧された時は「view_〇〇」、タップされた時は「select_〇〇」など、名前にルールを設ける
これらの管理方法を導入することで、イベントの乱立を防ぎ、効率的なデータ分析が可能になります。
動画はこちらです
Google 広告やMeta広告などの効果をGA4で評価する方法
Google 広告やMeta広告の効果を評価する際、GA4ではどのような指標を見ていくべきでしょうか。
基本的なアプローチとしては、「GA4でのコンバージョン(最近ではキーイベントと呼ばれる)とCPA(Cost Per Acquisition)を計算して見る」のが良いと思います。GA4の利点は「各広告プラットフォームごとに基準の違いがあるが、GA4であればそれを全く同じ条件でパフォーマンスを継続して比較できる点」にあります。 また、「クリックとセッションの差異を見ること」も有益です。これにより「サイトに訪問しない広告(P-MAXや動画広告など)」の特性が把握しやすくなります。
さらに詳細な分析のために、以下のディメンションを組み合わせて見ましょう。
- デバイス
- ブラウザ
- OS
- 時間帯
- 曜日
- ga_session_number
これらを「媒体・広告主・キャンペーンなどの軸でかけ合わせる」ことで、「この広告キャンペーンはこういうユーザー層が来ている」といった詳細な特性が把握できるようになります。
動画はこちらです
GA4データ分析の次のステップへ
今回は、GA4の様々な分析機能や指標について、実務レベルでの活用テクニックを紹介しました。セグメントの正確な設定方法から、異常値の検知、クロスドメイン計測の課題、効果的なイベント管理まで、GA4をより深く活用するためのヒントが満載です。
GA4の機能を正しく理解して活用することで、単なるデータ収集だけでなく、ビジネスの意思決定に役立つ洞察を得ることができます。ぜひこれらのテクニックを実践し、データ分析のレベルアップにお役立てください。
また、JADEでは今後もGA4に関する有益な情報を継続的に発信していきます。コンサルタントの郡山によるGA4をテーマにした連載「#現場で役立つGA4」も合わせてごらんください!